items interview company profile e-mail

100%リサイクルでき、美しさと強度・耐久性を兼ね備えた段ボール家具やインテリアを企画・制作・販売しております
 
   
  LTL:西野さんがダンディンドンを発足されたきっかけは何だったんですか?

西野 :ひとつには、たまたま知り合ったアーティストの方が段ボールを作品の素材として使っていて、その作品が非常に素晴らしいものだった、ということがあります。見ただけで癒されたと言うか。段ボールでここまで表現できるのか、ということにショックを受けたんです。それで、これで何か物が作れるのではないか。じゃあ作ってみようと。最初はあまり下調べもしないで、これは他で見たことが無いからいけるんじゃないかと。単純なノリでした。

LTL:アメリカではダンディンドンのように強化段ボールをこうした家具プロダクトにまで展開している例というのはあるのでしょうか?

西野 :アメリカの例は聞いていませんが、ヨーロッパは割と盛んみたいです。だから我々の作った家具をアメリカに持って行っても売れるんじゃないかとも思うんです。いずれ会社に体力がついて来たらそんなこともやってみたいと思いますね。

LTL:ドイツでは『ヴィトラ』という家具メーカーが段ボール製の椅子を作っていますね。

西野 :フランク・O・ゲーリーがデザインしたものですね。それを僕が知ったのはごく最近です。彼はもう30年くらい前に、段ボールでアートピースを作っているんですよね。さすがです。

LTL:同じ段ボールでも、フランク・O・ゲーリーの使っている段ボールと、この強化段ボールとでは全く質感が違います。

西野 :どちらも強化ダンボールには違いありませんが、ヴィトラで使っているのは多分ヨーロッパ産だと思います。白っぽいですよね。断面形状の出し方も全然違いますし、構造自体も全然やり方は違っていました。

LTL:つまりダンディンドンの家具は非常にオリジナリティが高いんですね。現在ダンディンドンの製品ラインナップの中に、家具プロダクトは何品目くらいあるのですか?

西野 :基本的に、既製品としてはあまり作っていないんです。ほとんどがオーダーメイドなんですよ。ここに置いてあるものもあくまで参考品なんです。だからここにあるものを基本に、お客さんの要望をヒアリングした上で、形や大きさを決めて作ります。

LTL:ここにあるものだけで言っても、椅子に、棚に、テーブルに、、、そういう意味ではほとんど出来ないものは無いですよね。
 

 

 
西野 :そうなんです。何でも出来ちゃうんですよ。ただやはり実際やってみると、製品を具体化させるまでには、すごく苦労と工夫がありますね。強化段ボールの素材そのものの長所短所を把握した上で作らないと。日本の会社にも、段ボールを箱だけじゃなくて、我々みたいにいろいろと展開したいと考えている会社はたくさんありますよ。だけどやりたくてもやれない。
ちょっと話がそれるかもしれないですけど、段ボールの業界では1000や2000は数のうちじゃないって言われるんです。それは段ボール箱というのは、何万ケース、何十万ケースと量産されるものだからなんですね。段ボール箱の価格が安いのは、一度にそれだけたくさん作るからなんですよ。

LTL:量産効果ですね。

西野 :既存のメーカーにはそういう考えが根本にあるから、テーブルでも椅子でもすぐマスプロ化を考えちゃうんですね。でも、我々が作っているものはマスプロ化はまず出来ないんです。段ボールで箱を作るための専用の機械はたくさんあっても、段ボールを素材としてとらえて、テーブルやいすや棚を作る機械はどこにも無いですから。
我々が使っているのは、『サンプルカッター』と言われる、カッターナイフをプロッターの先につけたような機械です。もともとは段ボール箱のサンプルをひとつずつ作るための機械なんですね。一般ユーザーには知られていませんが、これを使ってサンプルとして作られた段ボール箱は、一個が2万円とか3万円くらいするんです。箱一個がですよ。 量産すれば300円とか400円になる。
それと、強化段ボールは硬いから、サンプルカッターの刃がとても折れやすいんです。超硬刃という、すごく薄くて、非常に高価な刃を使うんですが、早く作業しようとするとすぐに折れちゃうんですよ。そうすると大変な原価になってしまうので、スピードを落として作業する。すると時間がかかるから、結局また原価が上がる。だからマスプロ化もできないし、普通の段ボール箱のようには価格が下がらないわけなんですが。
そのかわり、サンプルカッターはデータさえ作れば、一日のうちにその場で製品が作れてしまいますし、量産するのと違って高価な金型を作る必要が無い。2、3個ずつ作るんだったら、サンプルカッターを使って作るほうが逆に安いわけです。
 
LTL:なるほど。マスプロダクションではなくて、これらのサンプルをベースにしつつ、あなたのサイズに合わせて、あなただけの製品を作ります、というのがダンディンドンのスタイルであるわけですね。

西野 :自分の家にぴったり合ったサイズの家具が欲しくても、既製品の中から探すのはほとんど無理ですよね。かといって、木やスチールで大きな棚とかを特注品として作ったら、大変な値段になってしまいます。我々はそこを一番にやりたい。それに、段ボールのライナーとフルートを貼り合わせるのに使っているのは、コーンスターチなどの食品系の接着剤なんですよ。だからお子さんが口に入れても何ら問題はありません。
例えば、仮にどこかのお店で我々の商品を置いてくださることになったとしても、決してそこに置いてあるものがすべてではないわけです。だからお店もただ売るだけじゃなく、お客さんとコミュニケーションをとった上で、お客さんの意向を汲んだものをうちに発注する、というスタイルがいいと思うんです。当然インターネット上でも、そんな風にして注文を受けることができればいいな、と思います。
実際に僕も、段ボールでステレオラックを作って使っているんです。家の出窓に置いてあるのだけど、既製品では収まるものが無かったので。すごくいいですよ。どこにも売っていないですしね。
段ボールでこうした製品を作る場合、実は直角を出すのが非常に難しいんです。そこを限りなく直角にできるように、今までの経験の中で技術を貯えています。ミリ単位の仕事なんですよ。ダンボールの逃げを考えながら、1ミリ刻みで各ご家庭のご要望の場所にピシッと収まるものが作れます。これは本当に、他には決して無い価値だと思います。だから、段ボールでここまで出来るんだ、ということを多くの方に知っていただきたい。ここにいらっしゃっていただくのがいちばん早いんですけどね。

LTL:そうですよね。この強化段ボールの、独特な質感を気に入ってくれた人のために作るのでなければ意味が無い。

西野 :僕自身も、この強化段ボールに触れて、ショックを受けてこの仕事を始めるまでは、ほんとに素人だったわけですよ。そして自分で切ってみて、なんていう硬さなんだと驚きました。1メートル切るのにどんなに苦労するか。定規を当ててカッターナイフを入れたところで、まっすぐ切れるようなものじゃない。
多分、触った人はびっくりすると思いますね。
   
  ↑ 上に戻る
   
← 前のページへ 次のページへ →